安全サステナビリティ
安全理念
JERAグループの使命は、世界のエネルギー問題に最先端のソリューションを提供することであり、この使命を全うするためには、事業活動を安全に⾏い、安定的にエネルギーをお届けすることが不可⽋です。
このため、JERAグループは、燃料上流から販売までのすべてのサプライチェーンにおいて「安全最優先」を⼤前提として事業活動を展開し、社会のみなさまにご安⼼していただけるよう、さらなる安全対策に取り組んでいきます。
安全方針
JERAグループは、安全理念に基づき、以下のことに取り組んでいきます。
- 安全かつ健康で働きやすい職場環境をつくります
- 安全かつ適切な業務手順・ルールを遵守します
- 安全に配慮して設備を設計し、運転・保全します
⾏動原則
安全理念・安全⽅針を実現するため、JERAグループの役員及び従業員⼀⼈⼀⼈は、以下の⾏動原則に基づき⾏動します。
- 安全確保のため、組織や職責を超えて⼀致協⼒します
- 判断に迷ったときには、より安全と認められるものを採⽤します
- 安全確保のため、不断の努⼒と取り組みを継続します
基本的な考え方

「安全最優先」を大前提として事業活動を展開する
当社のミッションは「世界のエネルギー問題に最先端のソリューションを提供する」ことです。発電設備や燃料設備は高温・高圧下で稼働していること、多くの危険物を取り扱っていることから、設備の運転およびメンテナンスに携わるすべての人の災害をなくし、安全かつ安定的にエネルギーをお届けすることが不可欠です。
このため当社では、「安全理念」の下、燃料上流から販売までのすべてのサプライチェーンにおいて「安全最優先」を大前提とした事業活動を展開しております。
事業に関わる全ての人を対象とした安全活動
このため、当社の安全活動は「JERAグループの事業に関わるすべての人」を対象としています。事業領域が拡大する中、安全最優先とする活動を海外を含め、当社のビジネスエリアに拡大していきたいと考えています。

グループ会社や協力企業との一体的な安全文化醸成
当社の目指す安全を実現していくためには、グループ会社や協力企業など「JERAグループの事業に関わるすべての人」が安全最優先の意識を持って事業に従事することが必要です。
このため、当社は、国籍・人種・所属にかかわらず、誰もが共通の言葉で当社が目指すべき「安全」を語ることができるようにするため、「JERA安全ビジョン」を定め、JERA社員およびグループ会社や協力企業の皆さまが一体となった安全文化醸成活動を展開しています。
災害ゼロに向けて
有田 和之
総務統括部長
このため当社では、日本国内で長年培ってきた安全管理・技術をさらに磨きこむとともに、世界各国の安全管理手法や最先端の安全技術を取り入れ、安全活動の実効性を高める活動を進めています。同時に、一人ひとりが安全意識を高め、自らと仲間の安全確保のために積極的に行動する安全文化の創出にも取り組んでいます。また、こうした活動を通じて災害ゼロを実現することにより、地域社会の方々にご安心いただき、信頼される企業を目指しています。
安全活動戦略
安全理念の実現に向けた安全活動戦略
当社は、2021年に第三者による安全活動診断を受けた際、安全理念を実現するための課題として、リーダーシップ、組織体制、業務運営の各項目の取り組みについて推奨されました。
この診断結果を踏まえ、2022年度に中期的な安全に関する実施事項を「安全活動戦略」として取りまとめ、この戦略の下、年度ごとの活動計画を策定し取り組んでいます。
2023年度-2025年度 安全活動戦略 | 2023年度の主な取り組み |
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リーダーシップ トップの継続的なリーダーシップと、一人ひとりの安全意識向上 |
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組織体制 安全を強力に牽引するマネジメントシステム構築 |
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施策 環境の変化に対応した実効性ある安全活動 |
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TOPICS
安全表彰式
2023年度の表彰式では、ベトナムのメコンエナジー社フーミー2.2発電所、フィリピンのティームエナジー社を含む、延べ47団体、32名が表彰されました。
受賞者からは「他所の取り組みが参考になった」「モチベーション向上につながった」などの声も多くあり、安全活動・文化の共有につながったと評価しています。

安全推進体制
経営レベルが参加する安全推進体制の構築
当社は、会社全体で一体となった安全活動を展開していくため、社長 CEO兼COOが主査となり、各部門の安全推進責任者が参加する「安全責任者会議」を設置するなど、安全推進体制の強化にも取り組んでいます。
海外子会社が増加する中、今後、関係会社も参加するグループ一体となった安全推進体制を構築する考えです。
JERA 安全推進体制図(2024年4月1日時点)

安全責任者会議での実質的な議論
安全責任者会議には、従業員の代表として労働組合委員長が参加するほか、外部の有識者にも参加していただき、第三者の視点から当社の安全について意見をいただいています。
2023年度は8回開催し、当年度に発生した死亡災害に対する原因究明や再発防止対策が十分であるかの確認や、有事においても安全最優先の行動ができるようにするために何が必要かなど、災害ゼロを実現するための具体的な対策について議論しました。
災害防止に向けた取り組み
災害ゼロを目指し、職場一体となった安全活動を国内外で展開
海外発電所においても、各国・各地域の安全法令を遵守の上、事業場に応じた安全活動を実行しています。
こうした各国・各地域の事業場における安全の取り組みを共有し、JERAグループとして共通の行動基準等の設定に取り組んでまいります。

メコンエナジー社フーミー2.2発電所(ベトナム)における安全パトロールの状況
緊急時に備えた設備の安全対策
当社の事業は、自然災害などの緊急時でも早期に設備復旧させる必要があります。このため火力発電所では緊急時に備えて関連法規に基づき適切な管理を行うとともに、地域社会と連携した各種訓練等を充実しています。
地震対策
火力発電所は新設時に関連法規や耐震設計規程(JEAC)に基づく耐震設計を施し、建設後は定期的な設備点検にて耐震性能を確認しています。また、内閣府等の公的機関より発表される地震を踏まえた重要設備の耐震性評価を実施し、倒壊・損傷による長期停止を回避するよう耐震補強等の対策を進めています。
今後、想定地震の公表など新たな知見を得た際には、従来の地震対策の妥当性を検証した上で必要な対策を実施します。
LNG取り扱いにおける安全対策
火力発電所やLNG基地では大量のLNGを取り扱っており、万が一のLNG漏洩に備え、第一に「漏洩の防止」、第二に「漏洩の早期発見」、第三に「漏洩の拡大防止」という3つのコンセプトの下に安全対策を実施しています。その他、LNG設備廻りの電気品への防爆構造の採用や管理区域の設定による火気使用制限など、火気取扱上の配慮を行っています。
災害実績
安全に関する目標(KPI):死亡災害ゼロ
当社は、「死亡災害ゼロ」をKPIとして設定し、その目標達成に向け様々な活動を行っています。
その結果、2023年度のJERA単体における災害件数は、2019年度の火力発電事業の統合以降、最小の件数となりました。しかし、2023年度は国内のグループ会社で1件の死亡災害が発生しました。
災害件数の推移※

- 当社および当社グループ発注先の請負会社・委託会社の従業員が対象:災害件数は不休災害を含む
死亡災害の再発防止対策の徹底
災害発生の翌日に、社長 CEO兼COOより、安全に関する基本的事項の遵守徹底についてのメッセージをグループ全体に発信しました。災害の原因究明、再発防止対策について安全責任者会議でも確認するとともに、各事業場に水平展開を実施しました。
今後、講じた再発防止対策の実施状況および効果の確認も行い、より実効性のある再発防止対策を追求してまいります。