石炭灰の処理サステナビリティ / 廃棄物の適正処理
石炭を燃焼すると、約1割の石炭灰が発生し、大量の石炭灰の有効利用が課題となります。例えば当社の碧南火力発電所1号機~5号機では、燃料に石炭を年間約1,000万トン使用するので、石炭灰が年間100万トン発生する計算となります。
石炭灰には、(1)細粒(2)軽量(3)強度を増すなどの優れた材料特性があります。限りある資源を有効に利用するために、当社はさまざまなリサイクル方法をとっています。
石炭灰の発生過程
石炭灰には、大別して「フライアッシュ」「クリンカアシュ」という種類のものがあります。
石炭火力発電所から「フライアッシュ」「クリンカアッシュ」がどのようにできるか、そのしくみを見てみましょう。
(1) 石炭火力発電所では、粉状に砕いた石炭を、ボイラー内で燃焼させ、そのエネルギーを電気に変えています。この燃焼により溶けた石炭灰の粒子は、高温の燃焼ガス中を浮遊しますが、ボイラー出口で温度が低下するためガラス状の球形の粒子となって、電気集じん器で集められます。これを一般に「フライアッシュ」と呼んでいます。
(2) このフライアッシュは、石炭灰の性質をオンラインで分析する「品質管理システム」で品質が管理されており、用途に応じてふるいにかけ、粒の大きさをそろえ、それぞれのサイロに貯蔵します。
(3) 一方、ボイラー内の石炭灰の粒子は、相互にくっつきあい、たくさん孔(あな)のあいた塊となってボイラー底部の水槽(クリンカホッパ)に落ちるものもあります。このように水槽(クリンカホッパ)に落ちて堆積し、砂状に砕かれたものを「クリンカアッシュ」といいます。通常クリンカアッシュは、脱水槽などで脱水したあと、砂状のまま貯蔵します。
フライアッシュ(Fly Ash)とは?
クリンカアッシュ(Botom Ash)とは?
石炭灰の有効利用
当社の火力発電所のうち、石炭を使用している発電所では、石炭灰を有効利用しています。
- 石炭灰を海上輸送または陸上輸送でセメント工場に運び、セメント原料として有効利用。
- 石炭灰を土地造成材として有効利用。