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ふたば未来学園の学生と描く!広野火力発電所壁画アートプロジェクト

第2回
壁画で何を表現する?
白熱のディスカッション!

2024.1.24

「JERA広野火力発電所で働く人々が毎日必ず通るトンネルを、地元の学生たちの力を借りて新しいものにしよう!」。そんな思いから、立ち上がった壁画アートプロジェクト。第1回では、ふたば未来学園の学生たちと一緒に広野火力発電所構内を見学し、働く人々の安全に対する思いを目の当たりにしました。次はふたば未来学園に舞台を移し、下絵の検討に入ります。2度にわたって開催されたワークショップでは、それぞれが思いをぶつけ合う熱いディスカッションになった様子。その模様をご覧ください!

ワークショップの舞台、ふたば未来学園とは?

前回のキックオフを受け、実際にどのような壁画を描くか話し合うため、10月4日と23日の2日に分けて、ワークショップが開催されました。ワークショップの舞台となったのは広野火力発電所から車で約7分、小高い丘の上に位置する広野町唯一の高校、福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校(以下、ふたば未来学園)です。

ふたば未来学園の建学の精神は「変革者たれ」。福島における復興の課題を乗り越えるとともに、全国、そして世界の課題解決に貢献し、持続可能な世界を実現する「変革者」の育成を目指した教育課程が特徴です。

校内にある施設の中でも特徴的なのが、「双葉みらいラボ」。認定NPO法人カタリバが運営する双葉みらいラボの多目的スペースには、学生たちが経営するカフェや、大型スクリーンで多様な活動を行える多目的教室があり、中高生が放課後の探究学習や自主学習の場として利用しています。また、年4回、福島大学との連携で考査期間中の放課後学習会を実施するなど、先進的な取り組みが注目を集めています。

学生さんの本領発揮!
活発な議論が飛び交う第1回ワークショップ

授業などの都合で前回のキックオフには参加できなかった学生たちも加わった第1回ワークショップ。

最初に、発電所内を見学して出た意見をもとにOVER ALLsが考えた壁画のテーマと6つのラフスケッチが提案されました。提案されたテーマは「約束」。それぞれ「等身大・リアル」「社会・未来」「家族(家庭)」という「約束」とつながるコンセプトに沿って制作されています。テーマを「約束」に設定した理由について、OVER ALLsの赤澤さんは次のように説明します。

「キックオフの際に火力発電所の1番の目的というのは『電気を止めない。安定供給をすること』だと伺いました。その根底にあるのは人々の役に立ちたいという思いで、その思いが私たちの暮らしを守ってくれているということを強く感じました。そしてもう一つは、それぞれが任されている業務を確実に遂行して、それを次の人につないでいくことが大切だということ。これらのことから、私は安全=約束なのではないかと考え、今回の壁画のテーマとして『約束』をご提案しています。そして、壁画を描くトンネルは職員の方々が1日の仕事を終えて、帰宅する時に通ることが多いということから、『今日も1日安全に仕事を終えられた』と明るい気持ちで帰ってもらいたいなという思いを込めたラフスケッチを持ってきました」

その後、3グループに分かれてのディスカッションの時間が設けられ、それぞれの絵に対する率直な意見を出し合います。大人も子供も関係なく、お互いの意見を聞き、グループとしての意見をまとめていきます。「前回は慣れない場所で緊張もありましたが、ここは私たちのフィールドなので頑張ります」と話す学生も!

最後にOVER ALLsの赤澤さんがまとめ、この日のワークショップはこれにて終了。今回の意見をもとに再度ラフスケッチを検討していただくことになりました。

第2回ワークショップが開催!議論の末、残ったのは2案!

第1回から約2週間後、2回目のワークショップが開催されました。スクリーンには前回出た意見を受けて「約束」がテーマのイラストが3つ、そして新たに「LOVE」がテーマのイラストが1つ、合計4つのラフスケッチが映し出されます。広野火力発電所の皆さんが働いているシーンの詰め合わせ、出勤時と退勤時の切り替えを服装の違いで表現したもの、安全を願う人々の愛を表現したものなど、どれもカラーで壁画にした際にインパクトがありそうです。

結果は発電所で働く人のオン・オフを表現したC案と、大人と子供がぎゅっと抱きしめあっている様子で「LOVE」を表現したD案が人気を集めました。

それぞれをアレンジするアイデアも提案されるなか、C案とD案に絞り個人の意見を発表していきます。JERAの新入社員で、広野火力発電所で研修を受けている高橋さんは、C案を選んだ理由として「かっこよさ」を挙げます。

「入社して6カ月の自分から見ると、広野火力発電所で働く方々は『皆、かっこいいな』という印象です。だから、C案を見て『自分もこんな姿になれるといいな』と奮起しましたし、もしかしたら何年も働いている皆さんも、この絵を見て『こんな姿であり続けたい』と思っていただけるのではないかと思いました」

貯炭場で石炭の供給や管理に携わる南双サービスの佐伯さんも、この意見に同意します。

「弊社は石炭の取扱いをしているので、顔を真っ黒にしながら作業することもあります。周囲からは『なぜ、そんな仕事を』と言われることもありますが、それが私の誇りでもあるのです。修理をするためにバルブを開けたり閉めたり、機械が問題なく動いているのかを数時間おきに確認したり、インフラの仕事はどれも地味なので忘れられがちですが、『人々の暮らしを支える』という意味ではとてもかっこいい。だから、それが表現されているC案がいいなと思いました」

広野火力発電所で働く皆さんが、「自分たちの仕事とは何か?」を改めて考えるきっかけにもなった2回目のワークショップ。最終的に「C案のオンとオフの切り替えという表現は学生にも理解しやすい」という意見が同意を集め、ディスカッションは終了となりました。

次回はいよいよ壁画制作!ディスカッションの成果はいかに?!

合計約4時間に及んだ2度のワークショップを終え、具体的なアイデアがまとまってきたことで参加者たちの期待も膨らみます。ここからはC案をベースに様々な意見を取り入れつつ、OVER ALLsの皆さんがブラッシュアップしていき、最終ラフが確定する予定です。11月中旬からはついに壁画制作開始。もちろん生徒の皆さんにも壁画制作を体験していただく予定です!

最終回「みんなの壁画、いよいよ完成!」へ続く