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2023年度上期 定例記者会見 要旨2023/06/02

 当社は、5月31日(水)に可児会長 Global CEO、奥田社長 CEO兼COOによる定例記者会見を実施いたしましたので、概要をお知らせいたします。

 

1.会見概要
テーマ:可児会長 Global CEO
     ・新取締役会の体制
     ・新執行の体制
     ・再生可能エネルギー事業


    奥田社長 CEO兼COO
     ・電力需給のふりかえりと今後の安定供給に向けた取り組み
     ・収支の状況とシナジー効果の進捗状況
     ・JERA取引監視委員会の設置


配布資料:資料1 役員人事について
        資料2 定例記者会見説明資料
                  資料3 JERA取引監視委員会の設置について

 

2. 発言要旨
■可児会長 Global CEO


 私からは、
 ・新取締役会の体制、
 ・新執行の体制、
 ・再生可能エネルギー事業
  についてお話いたします。

 

【新取締役体制】
 4月より共同CEO体制がスタートし、2か月が経ちました。
 最初に取り組むべき、最も重要な課題は、経営のチームビルディングです。この2か月の間に、我々二人が中心となり、迅速に意思決定することができたことは、今後のJERAの成長にとって非常に大きかったと思います。


 「資料1」をご覧ください。
 本日、取締役会において、6月の株主総会に提案をする新たな取締役会体制、および7月1日付の新執行体制を決定いたしました。
 少し話は戻りますが、私は、Global CEO就任時の記者会見で、「ミッション、ビジョンを達成する上で、グローバルな視点で最適な仕組みを構築すること、この仕組みに魂を入れるためチームビルディングが重要だ」とお話しました。
 JERAでは、ミッション、ビジョン実現のために取締役会が備えるべき能力や経験をリスト化したスキル・マトリックスを持っています。これが仕組みにあたります。今回も、この仕組みをもとにチームビルディングを行いました。新取締役のメンバー選定について、主に3点、ご説明します。
 まずは、国内火力です。JERAの事業基盤は、安全かつ安定的な国内火力の操業です。老朽化する火力を安全に運転すると同時に、新規電源の建設を着実に行う必要があります。今回の新取締役メンバーには、国内火力に長い経験を有する、佐野、渡部、酒井の3名が入ることにより、国内火力事業について、多角的にガバナンスができる体制を整えました。
 特に、渡部取締役は、執行側で副社長に昇格させ、監督と執行の重要な橋渡し役を期待しています。


 次に、グローバル市場からの燃料調達です。ここ数年、再生可能エネルギーの増大、さらにはウクライナの情勢等によって、特にグローバル市場からLNG・石炭を調達する難しさは増しています。そのため、トレーディング事業の重要性が一層高まっています。
 取締役会から適切なガバナンスをする上で、世界的なトレーディング会社を経営した豊富な経験を有した人財が不可欠と考えました。今回、その観点から、グローバル市場では常にトップリーグに入るEDFトレーディング社を創業し、長年CEOの経験を有する、ジョン・リットンハウスさんを招聘しました。


 最後の3点目は、アジアです。日本もその一員であり、ともに成長したいと考えておりますが、脱炭素に向けたビジョンを共有し、各国の実情に合わせた取り組みを実現するために、アジアの地政学、商習慣、文化などに精通する外部人財の補強が有効と考えました。
 この観点から、シンガポールにおいて初の女性閣僚として、大臣職などの要職を歴任した、アジアの政治経済情勢に知見が深いリム・フィーホアさんを招聘しました。
 新取締役体制は、社外比率が50%、女性比率が20%、外国人比率が30%と、専門知識や経験、性別、国籍などの面で多様性の高いチームとなります。多様性を大切にするフラットなカルチャーを創り、取締役会から率先して進めていきたいと考えています。

 

【新業務執行体制】
 次に「新執行体制」について、資料1の3ページをご覧ください。JERAでは、戦略実現に向けて最適な要員を確保できるように、キーポジションごとに必要なスキル・経験・マインドを言語化したジョブディスクリプションを定めています。そのジョブディスクリプションに基づいて、最適な人財を登用するという仕組みを持っていますが、今回もそれに基づいて実力主義で人財を登用しております。
 今回は、CXO体制を本格導入し、各ポジションの権限と責任をより明確化したうえで、実力主義を徹底しています。 
 本日お示しした新たな取締役会体制・執行体制で、当社の掲げる「世界のエネルギー問題に、最先端のソリューションを提供する」というミッションを実現していきたいと思います。



【再生可能エネルギー事業】
 次に、事業の話です。この2か月で、洋上風力の大型M&Aを2件、発表しています。本日は、再生可能エネルギー事業の仕組みを構築する視点から、その背景を説明します。
 就任時の会見で、「不確実な将来に備えるために、LNG、再生可能エネルギー、水素アンモニアの3本柱を育てて、エネルギー問題の解決に向け、一つでも多くのエネルギー供給オプションを構築しておきたい」とお話しました。
 その柱の一つ、再生可能エネルギー事業は、この6年間で戦略的に事業内容を強化した結果、現在、日本・台湾・米国・インド・英国を中心に、洋上風力、陸上風力、太陽光、蓄電池事業を展開しています。


 お手元の「資料2 定例記者会見説明資料」の3ページをご覧ください。
 洋上風力事業は、まずはアジアの洋上風力先進地域である台湾で、集中的に知見を積みあげ、気象海象などの条件が似ている日本を中心に、他の地域へ展開することを目指してきました。
2019年に、大型洋上風力案件としてアジア初となる「フォルモサ1」に参画し、それに続く「フォルモサ2」では、最大株主として、建設段階からプロジェクトを主導しました。
 案件に出資するだけのファイナンシャル・インベスターに止まらず、JERAは現地に人財を送り込んで、国内火力事業と同様に、案件開拓、建設、運転、廃止、さらにはその地域への貢献まで見据えた取り組みをすることを基本としています。
 実際、台湾の両案件では、特に、「フォルモサ2」のコロナによる工程遅延やコストアップなど、大変な苦労を経験しました。幸い、当社が主体的に建設を主導し、関係者と協力することで、何とか工事が完了し、5月16日に台湾の蔡英文総統もご出席のもと完工式典を執り行いました。


 この経験で多くのことを学びましたが、その一つが、今後、洋上風力を国内外で更に展開するためには、先ほどの案件開拓、建設、運転、廃止までカバーできる洋上風力のプロ集団が必要だということです。そして、その人財は、やはり洋上風力事業の中心地、欧州に圧倒的に集積しています。
 では、どういう仕組みや体制を構築するべきか。ここ数年、経営で議論を重ねた結果、欧州に再生可能エネルギーの本社を置き、M&Aを活用し、欧州企業のプロ集団を獲得した上で、日本、台湾、インド、米国の各地域のローカル部隊と連携し、グローバルとローカルの主要市場をカバーするグローカル体制を構築することを考えてきました。
 この戦略に基づいて、ここ数年、M&Aの活動を続けた結果として、今回、Parkwind社の買収に踏み切りました。資料のページ4に概要を記載しております。
 同社の経営層とも繰り返しディスカッションを行いましたが、安全とコンプライアンスへの高い意識、プロフェッショナルな案件遂行能力、オープンに意見を言い合えるフラットなカルチャーがあることを確認しています。
 これからParkwind社の統合がありますが、カルチャーの融合も含めて、やるべきことは多いですが、同社は、単に欧州における一洋上風力事業者ではなく、JERAの世界戦略の中で不可欠なピースと位置付けていますので、今後、特にPMIには全力で取り組んでいきます。

 

(日本)
 更に、5月18日には、NTTアノードエナジーと共同で、グリーンパワーインベストメント社(GPI社)の買収を発表しました。
 これは、マザーマーケットである日本での事業開発を強化する目的です。特に、国内の洋上風力は、運転開始が2030年前後と先になる中で、GPI社の洋上風力事業に関わることで、日本での運転経験を蓄積し、今後の国内案件に繋げていく意義は大きいと考えています。

 

(開発目標に向けた進捗)
 改めて、Parkwind社とGPI社のM&Aが完了した段階での全体像を整理しますと、5ページになります。
2019年4月に公表した事業計画では、2025年度までに500万kWの再エネを開発するという高い目標を掲げていますが、この目標は完全に射程に入りました。
 既に設立した英国法人のJERA Green社が、Parkwind社を100%傘下に置く予定で、今後、さらに国内外で展開している再エネ事業を、このJERA Green社の傘下に集約し、グローカル体制を構築する方針です。
 再生可能エネルギー事業を、JERA Green社に集約すると、今回のM&Aを含めて、運転中・建設中が約300万kW以上、パイプラインが1,000万kW以上、国内外の専門人財約300名の事業体制になり、アジア屈指の再エネプレイヤーになります。
 また、洋上風力に限れば、大型案件が国内外で、台湾2件、日本1件、欧州6件の計9件となり、建設・運転のノウハウの厚みが格段に増すことを期待しています。

 

(グローバルな推進に向けて)
 こうした仕組みを活用して、国内においては、国内洋上風力第二ラウンドの開発に挑みたいと考えます。
 一方、国外においては、Parkwind社の欧州における開発を従来どおり維持しながら、グローバルな展開や、さらにはグリーン水素・アンモニアの開発に必要な再エネ事業機会に、このJERA Green社の能力を活用し、大きなシナジーを実現したいと考えています。
 そして、単に再エネ事業だけではなく、LNG、水素アンモニアという他の2本柱と組み合わせて、複合的なオプションを提供できる能力を持つことにより、地域や国の実情に適したソリューションを提供し、グローバルな脱炭素への取り組みに貢献していきたいと考えています。
 私からは以上です。

 

■奥田社長 CEO兼COO


 私からは、
 ・電力需給のふりかえりと今後の安定供給に向けた取り組み
 ・収支の状況とシナジー効果の進捗状況
 ・JERA取引監視委員会の設置
 の3点についてお話いたします。

 

【電力需給のふりかえり、今後の安定供給に向けて】
 まず電力需給について、お話いたします。

 

(kW(電源確保))
 「資料2 定例会見説明資料」の8ページをご覧ください。まず、kW(電源確保)についてお話いたします。
 近年をふりかえると、高度経済成長期に建設された多くの火力発電所は老朽化している一方で、電力自由化に伴う競争激化や再生可能エネルギーの伸展により、競争力のない老朽火力の維持が難しい状況です。
こうした中、8ページの図にあるようにJERAは総額1兆円以上を投じて老朽火力のリプレースを行っています。それと並行して運転期間50年を超えた老朽火力を廃止し、電源の新陳代謝を図っています。
 この結果として、2022年度には武豊5号機や姉崎新1号機が、また2023年4月には姉崎新2号機が営業運転を開始しています。2023年度内には姉崎新3号機や横須賀1号機が順次営業運転を開始する予定です。これらの建設工事を着実に進め、kWの確保に万全を期してまいります。

 

(kWh(燃料確保))
 次に9ページをご覧ください。当たり前ですが、kWが確保できても燃料がなければ発電できませんので、燃料確保に万全を尽くさねばなりません。近年、再生可能エネルギーが普及・拡大したことによって、燃料消費量が変動し、予測が難しくなりました。加えて季節間の格差も拡大しています。これが昨今の大きな変化です。
 9ページ左下の図をご覧ください。波線を打っている折線グラフがLNGの需要、季節間の変動を示しています。橙色で塗ってある部分が、長期契約を通じて確保している調達量を示しています。つまり、長期契約は、季節を問わず、年間を通じて一定量しか入って来ませんので、その結果として電力需要の低い春と秋は、長期契約ではLNGが余剰になって、LNGを転売しないと需給がマッチしないということが起きます。一方で、電力需要がピークとなる夏と冬は、相当な量のスポット調達をしなければなりません。これが今、燃料調達において一番難しいところです。再エネが入れば入るほどこの格差が開いていきますので、これに対してどのように取り組むのかが大きな課題です。
 こうした課題に対して、まずはLNGポートフォリオを構築するということです。長期契約、短期契約、スポット調達を上手に組み合わせたポートフォリオを構築することで、変動にうまく対応することが大切です。加えて、良いタイミングで転売し、良いタイミングでスポット調達するトレーディング力が重要になってきます。JERAはシンガポールにJERAGMというトレーディング部隊を持っているので、この機能をしっかり拡充することで、この大きな変動に対応していきます。利益も上げながら安定供給も万全になるような燃料調達を目指しています。

 

(2022年度のふりかえり)
 燃料調達の観点で2022年度をふりかえると、ロシアからの欧州へのパイプラインガスの供給途絶の懸念に伴い、2022年3月にはアジアのLNGスポット価格指標であるJKMが84ドル/mmbtuをつけ、それ以降も価格の高止まりが続いたという状況です。日本に目を向けますと、ロシアのサハリン2などのLNG供給の不確実性が高まるなど、価格・供給面ともにこれまで経験したことの無い、まさに「有事」の状況であったと言えます。
 こうした状況の中でも、当社は700万トンという過去最大のLNGスポット調達を実施いたしました。2022年度のLNG調達量2,800万トンの内、およそ4分の1をスポットで調達したことになります。実は、サハリン2からのLNG供給の不確実性に対応するために、リスク対応用のLNGをある程度用意しておりました。結果的に、リスクが発現しなかったために使わず、転売するなどして対応しました。そして日々の電力需給やタンク運用状況を見ながら、JERAGMによる最適なタイミングでLNGを転売・調達を繰り返すことで、少しでも経済的にLNGを調達できるように努め、何とか乗り越えることができました。
 10ページをご覧ください。2022年度と2023年度の燃料調達環境の違いをお示ししたものです。2022年度冬季は結果的に、欧州での想定外の暖冬や中国ではゼロコロナ政策等によるLNG需要減、また日本においても暖冬であったこと等の幸運が重なり、結果としてリスク対応として用意していたLNGを使うことなく、なんとか乗り切ることができました。

 

(今後の安定供給に向けて)
 しかしながら2023年度は、状況が変わってきています。欧州ではLNG受入基地が立ち上がり稼働を始めています。さらに中国のゼロコロナ政策の変更で、LNG需要への影響が見込まれます。また国内でも暖冬が続くとは限らないことから、燃料の確保については予断を許さない状況だと考えています。
 エネルギーの確保にあたっては、「平時」と「有事」で切り分けて考える必要があります。「平時」においては、電力自由化や電力市場をフル活用して、当社も公正・公平な競争を徹底することで、競争を通じて需給バランスを確保し、市場価格を形成して、それを通じて、事業者の利益がマーケットメカニズムを通じてお客さまに還元されることを追求してまいります。
 一方で昨今のような「有事」の際においては、民間では全てのリスクを取り切れないため、官民が協調し、有事の際にも、燃料が確実かつ経済的に確保できるスキームを構築することが重要です。
 昨年、戦略的余剰LNGのスキームができましたが、今後、実際どれくらいの量の戦略的余剰LNGを確保し、誰がそれを運営していくのか、そうした詳細を官民で詰めていく必要があると考えております。当社として、積極的に協力してまいりたいと考えます。
 当社は引き続き安定供給に向け、国とも協調しながら燃料調達を確実に実施していくとともに、着実なリプレースの実施等を通じた供給力の確保に努めてまいります。

 

【収支とシナジー効果の進捗状況】
 次に、収支の状況についてお話いたします。


(収支)
 12ページをご覧ください。4月28日に公表させていただいたとおり、2022年度の決算について、当期利益は燃料費調整の期ずれ込みで178億円、期ずれ影響を除いた当期利益は2,003億円となりました。
 2021年度からの変化という観点でお話しすると、ほとんどが先ほど申し上げた需給の関係で大きく変動しています。2021年度の期ずれ除き当期利益は2,485億円でした。


・フリーポートLNG基地の火災に伴うLNGスポット調達により、896億円の減益
・推定的債務として719億円を計上。2022年度決算より国際会計基準を適用しています。当社は5箇所の火力発電所の撤去を意思決定していますが、日本基準では撤去時に費用計上するものを、国際会計基準では意思決定時に将来の費用を計上することになるため、火力発電所の撤去に係る見積費用を一括計上したことにより、利益を押し下げたものです。ただこれは、将来の利益を押し上げる効果があります。
・JERAGMでの利益増による741億円の増益。これは、ロシアによるウクライナ侵攻によって燃料市場の状況が不安定な中、既にJERAGMは海外取引先から信用ある調達先との評価をいただいていたため、欧州からの引き合いがあったことにより、増益となったものです。
・LNG売却関連益による734億円の増益。これが、先ほど申し上げたリスク対応用に確保していたLNGを、結果として使用しなかったものを転売しました。JERAGMを使って良いタイミングで上手に転売したことで、逆に利益を出すことができ、増益となったものです。


 その他、石炭等の契約期末評価損があります。これは、JERAGMは基本的には石炭調達をマーケット価格で行い、日本に売るときは固定価格で販売しています。デリバティブ取引を実施し変動を固定に変えています。デリバティブ取引は会計上、時価評価いたします。2・3月に石炭価格が急に下落したため、時価評価が下がり、評価損が出てしまったものです。
 これらに期ずれ差損の縮小により、期ずれ除き当期利益で前年度比482億円の減益の2,003億円となりました。昨年度と比べて利益は減ったものの、大変厳しい、有事の環境下で2,000億円以上の期ずれ除き利益を出すことができたことについては、良いパフォーマンスであったのではないかと捉えています。

 

 次に、事業セグメント別の収支をご説明いたします。JERAでは事業セグメントとして、「燃料事業」「海外発電事業」「国内火力・ガス事業」に分けて売上高・損益等を整理しています。13ページ、左から2列目(純損益)をご覧ください。
・「燃料事業」は、2,013億円。これは先ほどご説明したJERAGMの利益増を反映しています。
・「海外発電事業」は、65億円の赤字。北米の IPP事業の不調が反映されています。
・「国内火力・ガス事業」は、期ずれ除きで1,548億円の黒字、期ずれ込みでは110億円の赤字。先ほどのリスク対応用のLNGの売却益は当セグメントに計上しています。
・石炭等の契約期末評価損は、その下「調整額」に入れています。これについては、燃料事業もしくは国内火力・ガス事業の利益を安定化させるために固定化しているので、本来、どちらかに割り振るということが正しい整理かもしれません。来年度までに、頭の整理をしながら正しい形で開示させていただけるように検討してまいります。

 

(シナジー効果の進捗状況)
 次に14ページをご覧ください。
 2019年に東京電力・中部電力の既存火力発電事業の統合が完了したタイミングで、「今後5年間で1,000億円のシナジー効果を創出すること」を宣言しました。それを毎年モニタリングしていますが、2023度が最終年度でありましたが、2022年度の時点で1,200億円のシナジー効果が出ていることが確認され、これに基づき、1年前倒しで達成することができたということです。
 シナジー効果の内訳としては、「コストダウン」で700億円、「新たな収益源」の効果で500億円、合計で1,200億円のシナジー効果が出ました。
 JERAへの最終的な統合から4年経ちましたが、統合段階は完全に終了したと思っています。今後は一体となって成長を目指すステージに入ったと認識しています。

 

【JERA取引監視委員会の設置】
 最後に、資料3をご覧ください。「JERA取引監視委員会の設置」についてご説明いたします。
当社は、国内に電力・ガスをお届けするエネルギー事業者として、その責務にふさわしい行動を続けるよう、市場競争を尊重するとともに、法令の遵守はもとより、公正・公平を旨とした取引や事業活動を行っております。
 このたび、そうした取引や活動を第三者の視点で確認・検証することで、透明性をさらに高めることを目的に、外部有識者を含む「JERA取引監視委員会の設置」を、社長直属の組織として設置いたしました。
具体的には、社外弁護士や社外会計士を含む委員により、
・電力・ガスの卸市場取引の適法性・妥当性
・電力・ガスの卸販売契約(PPAを含む)の内外無差別性・妥当性
等について定期的に確認・検証を行ってまいります。


 この委員会の設置、運営を通じて、JERAが国内の公正・公平な電力・ガス取引の市場づくりをリードしていきたいという意図をもって、今回、社内の委員会を作らせていただきました。
 公正・公平な取引をより一層徹底することで、結果として市場競争を通じて、事業者の利益が最終消費者であるお客さまに還元されていくという意味も込めて、この委員会をしっかりと運営してまいります。