JERAとEDFTの国内電力トレーディング事業をJERA GMへ統合~グローバル燃料市場と国内電力市場を一体的に最適化~2025/03/27
株式会社JERAは、このたび、仏電力会社EDFの子会社であるEDF Trading Limited(以下、「EDFT」)との間で、日本国内電力トレーディング事業を統合し、グローバル燃料トレーディング事業を行うシンガポール法人JERA Global Markets Pte. Ltd.(以下、「JERA GM」)を中核として一体的に事業を行うことについて合意しました。新体制での事業は2025年4月1日より開始する予定です。
JERAとEDFTは15年以上の長期にわたり、燃料トレーディング事業における強固な協力関係を構築してきました。2008年にEDFTとの間で石炭トレーディングの協業を開始※1して以降、2019年にはEDFTのLNGトレーディング事業を統合し、現在では共同出資するJERA GMのもと燃料トレーディング事業をグローバルに展開しています。
このたびの合意により、JERAおよびEDFTそれぞれの日本国内の電力トレーディング事業を、JERA子会社のJERA Power Trading株式会社(東京都中央区、4月より株式会社JERA Global Marketsへ名称変更)に統合いたします。これにより、電力自由化において先行する欧州で培ってきたEDFTの電力トレーディングにかかる高い知見と経験の活用を実現します。加えて、JERA GMが一体的に最適化事業を行うことで、これまでJERA GMが構築してきたガバナンスやリスク管理体制といった質の高いトレーディング事業基盤を、日本国内電力トレーディング事業にも活用することが可能となります。
これらを通じ、グローバル燃料市場と国内電力市場のマーケットリスクに総合的に向き合う体制が実現します。両市場において高次元での最適化を一体的に行うことで、わが国における安定的な電力供給に努めつつ、国内電力市場の一層の活性化に繋がるより多くの価値提供が実現できるものと考えています※2。
このたびの統合は、2024年5月に公表した「2035年ビジョン実現に向けたJERA成長戦略」における当社事業運営能力(Operational Capabilities)の一つである「最適化」分野を大きく進化させる取り組みです。
今後も、国際情勢の変化や電力システム改革など、当社を取り巻く事業環境の変化への対応を強化すると共にバリューチェーン全体の最適化を不断に追求し、エネルギーの安定供給を継続し、持続的に成長する社会の実現に貢献してまいります。
※1:2008年より中部電力株式会社がEDFTとの間で協業を開始。その後、東京電力株式会社と中部電力株式会社によりJERAが設立され、両社の燃料・火力発電事業をJERAに統合。
※2:日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場への余剰電力供出は引き続きJERAが実施し、JERA Power Trading(名称変更後のJERA GM)は、電力先物市場や電力先渡市場を通じた電力取引、相対での電力卸売取引などを実施します。