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NECとディマンドリスポンスなどを活用した電力市場取引の実証事業を開始 ~NECが保有する太陽光発電・蓄電池を用い、JEPX取引を通じ、事業性を検証~2022/12/01

 株式会社JERAは、本日、日本電気株式会社(以下「NEC」)と共同で、脱炭素社会の実現に向けて需要家側の電力需要を制御するディマンドリスポンスなどを活用した電力市場取引の実証事業を開始いたしました。

 

 本実証事業では、NECの我孫子実証センター内に設置された太陽光発電設備と蓄電池を利用して需要量を制御し、それにより生じた余剰電力をJERAがJEPXで取引を行います。NECの電力需要予測・太陽光発電予測技術とJERAの需要予測・市場価格予測技術を組み合わせることで、需給への貢献とJEPXからの収益最大化を図るとともに、インバランスリスクの低減を目指し、事業性の検証を行います。

 

 2020年10月に日本政府による「2050年カーボンニュートラル」が宣言され、社会の様々な取り組みの中で脱炭素化に向けて再生可能エネルギー発電や蓄電池などの分散電源の普及・利用拡大が進んでいます。一方で、気象条件によって発電量が変動する再生可能エネルギーの利用拡大は、電力の需要と供給のバランスを保つこと(電力系統網の安定化)が難しくなります。近年、需要家側の需要を制御するディマンドリスポンスを活用し、需要家側が電力系統網の安定化に寄与することが注目されております。

 

 本実証事業では、ディマンドリスポンスを活用して需要家側の電力設備による電力系統安定化への取り組みと、電力市場に参画する事業者が抱える収益性算定やシステム運用の課題解決を目指します。またディマンドリスポンスを活用した電力市場での事業化に向けて必要なシステム構成や技術要件、運用方法など検討や、取り扱う分散型電源の種類の拡大、将来的な事業パートナーへの取引条件等の評価・検討なども実施していきます。

 

 当社にとって今回の取り組みは、従来活用してきた火力発電の柔軟性だけでなく、今後、分散電源の柔軟性の活用も目指すうえで、気象条件により変動する再生可能エネルギーのもつ不確実性への対応力の強化を図るものです。また、今般の取り組みを通じ、分散型電源の活用に不可欠なデジタル技術の開発・運用を加速してまいります。

 

 当社は、長年培ってきた火力発電事業の運用の強化や最適化に加え、デジタル技術を活用し、2035年に向けたビジョンとして掲げた「再生可能エネルギーと低炭素火力を組み合わせたクリーンエネルギー供給基盤」の構築に向けて取り組んでまいります。

 

※需要計画と需要実績間または発電計画と発電実績間の差分のこと。

 

 

 

参考1  ディマンドリスポンスとして活用するNECの我孫子実証センター内に設置された太陽光発電設備(左)と蓄電設備(右) 

【写真提供:NEC】

 

 

 

参考2 事業モデルのイメージ

(1) NECの我孫子実証センター内に設置された太陽光発電設備と蓄電池によるディマンドリスポンス実施し、電力を創出

(2) NECの電力需要予測・太陽光発電予測と、JERAの需要予測とJEPX等の市場価格予測技術を組み合わせ、インバランスリスクの低減を図る

(3) JERAがJEPXでの取引を実施することを通じ、需給へ貢献するとともにJEPXからの収益最大化に繋げる

 

 

 

参考3 2035年に向けたJERAの取り組みイメージ