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LNGの安定的な確保に向けた豪州・バロッサガス田の権益取得について2021/12/08

 株式会社JERAは、子会社のJERA Australia Pty Ltdを通じ、豪州のバロッサ・カルディータガス田の権益を取得することとし、本日、豪州資源開発大手のSantos Ltdの子会社との間で、同ガス田の権益12.5%を取得することを定めた権益売買契約を締結しました。必要な許認可取得等の手続きを経て、権益取得を完了する見込みです。

 本権益の取得により、当社は豪州ダーウィンLNGプロジェクトの後継ガス田開発プロジェクト(以下「本プロジェクト」)に参画します。

 

 当社は、2003年にダーウィンLNGプロジェクトに参画しました。ダーウィンLNGプロジェクトは、東ティモール海域内に位置するバユ・ウンダンガス田から供給される天然ガスを原料とし、ダーウィン液化基地でLNGを生産するプロジェクトで、2006年の生産開始から約15年にわたり、LNGの安定供給に貢献してきました。

 バユ・ウンダンガス田は、数年以内に生産終了を迎える見込みで、ダーウィンLNG液化基地へ原料ガスを供給する後継ガス田として、現在、バロッサガス田の開発が進められています。

 

 バロッサガス田は、豪州北部準州沖合の豪州連邦海域に位置するガス田です。本プロジェクトは、バロッサガス田の開発およびダーウィン液化基地への繋ぎこみを行い、LNGを生産するもので、生産開始時期は、2025年頃を見込んでおります。当社は、本プロジェクトから、年間約42.5万トンの権益相当分のLNGを引き取ります。

 

 アジア地域においては、経済成長を支えるためのエネルギーの安定供給と脱炭素化の両立が求められています。他の化石燃料による発電と比較してCO2排出量の少ないガス火力発電は、発電出力が不安定な再生可能エネルギーを機動的に支えるという補完関係にあり、エネルギートランジションを進める上で不可欠なエネルギー源として需要は拡大を続ける見込みです。現在、世界中で問題となっているガス価格高騰でも明らかなように、競争力あるLNGの安定的な確保が益々重要になると考えられています。

 

 本プロジェクトは、開発するガス田が中規模であることや、ダーウィンLNGプロジェクトの液化プラントやLNGタンク、桟橋等の既存設備が活用できることから、開発リスクが極めて小さく、競争力の高いLNGの確保が可能なプロジェクトです。当社は、これまでLNGバリューチェーン事業を通じて蓄積してきた知見やノウハウを最大限活用しながら、パートナーとともに本プロジェクトの開発を進め、需給逼迫時の日本向けLNG供給や、アジア地域におけるLNG to Power案件向けの供給など、グローバル市場へのLNGの安定供給に努めてまいります。

 

 また、パートナーとともにゼロエミッション・プロジェクトの開発検討や、CCSプロジェクトの案件評価についても進めてまいります。これらを通じて、本プロジェクトにより排出が見込まれるCO2の削減についても検討いたします。

 

 当社は、「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2の実質ゼロに挑戦しています。火力発電についてはよりグリーンな燃料の導入を進め、発電時にCO2を排出しないゼロエミッション火力*を追求しています。また、国・地域別に最適な脱炭素ロードマップを策定し、それに沿った取り組みによってゼロエミッションを推進する方針です。

 当社は、脱炭素社会の実現に向けたトランジション燃料として不可欠なLNGについて、長期にわたり培ってきたLNGバリューチェーン事業の経験を活かしながら、今後策定する国・地域別の脱炭素ロードマップに従ってその導入拡大に努め、グローバルな脱炭素化とエネルギー問題の解決に貢献してまいります。

 

*ゼロエミッション火力:発電用燃料として、化石燃料に代えて、発電時にCO2を排出しない水素やアンモニアなどのグリーン燃料を用いた火力発電所。