米国から年間最大550万トンのLNG新規調達について~価格競争力と柔軟性が高い米国産LNGで安定供給に貢献~2025/06/12
株式会社JERA(以下「JERA」)は、このたび、米国より新たに年間最大550万トンのLNGを調達することを決定しました。また、米国時間6月11日午後、米国エネルギー省において日米両政府高官の立会いの下、本件について表明しましたのでお知らせします。
当社は、米国より新たに年間 最大550万トンのLNGを調達するため、米国NextDecade社およびCommonwealth LNG社との間でLNG売買契約を、Sempra Infrastructure社およびCheniere Marketing社との間でLNG売買に関する基本合意(法的拘束力なし)を締結しました。
当社は昨年春よりLNG調達戦略の見直しに着手し、米国を含む世界各国の主要な供給者との協議を行ってまいりました。このたびの米国産LNGの調達は、この戦略的イニシアティブの一環です。価格競争力と柔軟性を確保しつつ、日本のエネルギー安定供給もより強固にする非常に重要な施策であり、日本のエネルギー政策とも整合するものと考えております。なお、今後も世界的なインフレーションによるLNGプロジェクト建設費高騰が懸念されることを踏まえて、早期に各供給者とLNG売買について合意したものです。
日本ではかつて石油火力が変動の大きいピーク需要に対応する役割を担ってきましたが、その多くで老朽化が進み、ガス火力がこの変動対応を担うよう役割が変化しています。加えて、再生可能エネルギー導入等により季節間の火力発電需要の格差は拡大し、そうした変動に対応するガス火力発電や、その燃料であるLNGを安定的かつ柔軟に確保する必要性がますます高まっています。このたび調達する米国産LNGは仕向地制限がないFOB契約であり、電力需給の変動等に柔軟に対応できることから、日本のエネルギー安定供給を強化することが期待できます。
また、長期契約による調達は、LNGの物理的な安定確保のみならず、調達価格の安定化にも寄与します。ウクライナ侵攻以降、日本の長期LNG契約は、国内の電気料金をエネルギー市場の変動の影響から守る上で重要な役割を果たしました。天然ガスおよびLNGの価格高騰が欧州の電力・ガス価格の上昇を招いた一方で、日本は価格変動の少ない長期契約を数多く確保することで、価格上昇の影響を緩和しました。これらの新たな契約は、将来の市場変動に対するヘッジとして機能し、安定的かつ予測可能な供給と価格の確保に寄与することが期待されます。
当社は、今後も中東、アジア、米国等からの調達をバランスよく組み入れ、地域リスクを分散したLNGポートフォリオを構築してまいります。さらに、JERA Global Marketsをはじめ長年の経験で蓄積した最適化・LNGオペレーション能力を活用しコスト競争力を実現するとともに、アジアでのLNG需要開拓など販売フローの多様化も実現してまいります。
<NextDecade社との売買契約の概要>
売主 |
NextDecade社 |
買主 |
JERA |
対象プロジェクト (所在地) |
Rio Grande LNGプロジェクト (テキサス州) |
契約期間 |
商業運転開始から20年間 |
契約数量 |
年間約200万トン |
引き渡し条件 |
FOB(本船渡し) |
<Commonwealth LNG社との売買契約の概要>
売主 |
Commonwealth LNG社 |
買主 |
JERA |
対象プロジェクト (所在地) |
Commonwealth LNGプロジェクト (ルイジアナ州) |
契約期間 |
商業運転開始から20年間 |
契約数量 |
年間約100万トン |
引き渡し条件 |
FOB(本船渡し) |
<Sempra Infrastructure社との基本合意(法的拘束力なし)の概要>
売主 |
Sempra Infrastructure社 |
買主 |
JERA |
対象プロジェクト(所在地) |
Port Arthur LNG Phase 2プロジェクト (テキサス州) |
契約期間 |
商業運転開始から20年間 |
契約数量 |
年間約150万トン |
引き渡し条件 |
FOB(本船渡し) |
<Cheniere Marketing社との基本合意(法的拘束力なし)の概要>
売主 |
Cheniere Marketing 社 |
買主 |
JERA |
対象プロジェクト(所在地) |
Corpus Christi LNGプロジェクト、Sabine Pass LNG プロジェクト (テキサス州、ルイジアナ州) |
契約期間 |
20年間以上 |
契約数量 |
年間最大100万トン |
引き渡し条件 |
FOB(本船渡し) |


