電力市場に新たな可能性を。
JERAパワートレーディングプロジェクト

Project

Introduction

2016年の電力自由化によって、電力事業は大きな変革期を迎えることとなった。電力市場の活性化を通じて、人々により安定的に、適切なコストで電力を届けていくこと。そして、JERAが持つ発電アセットを最大限に活用し、最適化していくこと。JERAパワートレーディングは、そのためにつくられた新たな会社だ。そのビジネスを牽引する3名のリーダーたちに、自社の存在意義と可能性を語ってもらった。

  • JERAパワートレーディング 商務部
    部長

    2021年入社 物理学部

    全 明哲

  • JERAパワートレーディング 商務部
    商務企画グループ グループヘッド

    2007年入社 工学専攻

    西岡 宏晃

  • JERAパワートレーディング 財務・リスク管理部
    リスクマネジメントグループ グループヘッド

    2007年入社 理工学部

    青 紀宏

※情報は取材当時のものになります。

Project 01

なぜ、JERAパワートレーディングが必要だったのか。

日本の電力事業は、「電力自由化」を機に、大きな変革を遂げようとしている。
発電・送電・配電・小売りの垂直一貫体制を持つ特定の電気事業者が、地域への供給を独占する旧来のビジネスモデルは終焉を迎えた。

地域の枠に囚われない柔軟な電力供給が可能となり、健全な競争によって、人々はより適切なコストで電力を利用できるようになったわけだ。そうした新たな市場において、ひときわ大きな注目を集める企業がある。JERAパワートレーディング。JERAの電力トレーディング機能を独立させた新たな企業だ。同社を牽引する3名のリーダーたちは、その存在意義を次のように話す。

「国内最大級の火力発電設備を持つJERAの資源を活かして、JERAグループの企業価値向上と電力市場の活性化に貢献する。それが、JERAパワートレーディングを設立した目的です。それだけ聞くと、『JERAから独立する必要があるのか』と思う人もいるかもしれません。

しかし、マーケットスタンダードを追求していくためには、トレーディング企業が持つ独自のカルチャーをつくっていくことが必要不可欠です。市場を精緻に分析していくためには、電力会社にはいないような多様なプロフェッショナルの存在が不可欠ですし、意思決定にもこれまで以上のスピード感が求められることにもなります。新たなトレーディング会社を立ち上げることは必然であり、JERAの経営陣も私たちのチャレンジを全力で後押ししてくれました。」(全)

「国内最大級の発電アセットを保有するJERAや、世界最大級の燃料を取扱うJERA GMと連携し、グローバルな視点に立って国内のエネルギー安定供給や電力市場の流動性に寄与する。それが、私たちの存在意義であり、価値です。電力市場は、金融商品の取引とは違って、『フィジカル』となる電力が伴うもの。新たな市場を切り拓いていく、大きなインパクトをもたらせる仕事に確かなやりがいを感じています。そして、この新たなチャレンジには、社内外からグローバルかつ多様な人財が集まっています。私たち3人もアメリカ・ヒューストンでの業務経験がありますが、それぞれが持つ視点やアイディアに大きな刺激をもらえていますよ。」(西岡)

「火力発電所には、お客さまが必要な時に発電し、不要な時に止めることのできる柔軟性、すなわち『オプション』としての価値が潜在しています。しかしながら、市場のニーズに合わせた商品企画や意思決定の観点から、こうした発電所の価値を発揮することは非常に難しい側面があるのです。そこで、その価値を実現していくのが、発電と市場の間にいる私たちです。電力の人財が持つ『専門性』と『俊敏性』を十分に活かしながら、発電所のオプションとしての価値をさまざまな『電力商品』にして、市場に届けていく……。発電所の価値を実現・最適化することも私たちの存在意義であると考えています。」(青)

Project 02

多様で最先端。現場は、刺激に満ちている。

 発展を続ける電力市場に、さまざまな電力商品やスキームを提供し、その活性化を担う。かつてないチャレンジに向き合い続けるJERAパワートレーディングの現場は、きわめて刺激的で、クリエイティビティにあふれている。トレーディングやオリジネーションを担う「フロントオフィス」の責任者を務める全は、そのチームメイキングに譲れないこだわりを持っているそうだ。

「意識しているのは、チームの多様性です。『フロントオフィス』には、市場に向き合うトレーダーだけでなく、新しいビジネスをつくる商務企画グループや、IT・アナリティクスのプロフェッショナルが一堂に会しています。それぞれに強みを持ったプロフェッショナルたちが、同じ場所で仕事をして、雑談レベルから『革新のアイディア』が生まれていく。そんな刺激的な環境がここにあるのです。

AIなどのテクノロジーを駆使しながら、ファンダメンタルな分析を行い、さらなる価値を電力市場に提供していく。すでに電力の市場取引が常識になっている欧米では、こうしたスキルの市場価値が非常に高くなっていますし、日本でこうした能力を備えた人は、ほとんど存在しません。ここで働くすべての人財が、自らの成長とやりがいのある仕事を心から楽しんでいる。そうした様子を見ると、私自身も誇らしい気持ちになります。」(全)

電力市場に、さまざまな電力商品を提供し、さらなる流動化を促す。その上で欠かせないのが、JERAとの連携だ。西岡がグループヘッドを務める商務企画グループは、その窓口役を務めている。市場の声に耳を傾けながら、確かな「商品」を適切な形で生み出していく。彼らの存在なくして、市場の活性化も、JERAの最適化も成り立たない。

「電力市場の取引は、燃料調達から発電所の運転までのJERA全体の大きな商流と密接に関連しているため、多くの関係者とコミュニケーションを取りながら進めていく必要があります。JERAの燃料調達・発電アセットや市場商品を組み合わせながら、取引スキームを整備し、取引からリスク管理・会計などのオペレーションが順調に回ることを確かめる。それが、私たち商務企画グループのミッションです。市場で起きていることに耳を傾け、JERAやJERAパワートレーディングの関係者と一緒になって、電力取引を拡大・多様化するための打ち手を検討していきます。その成果が、お客さまのニーズとマッチし、取引が成立した時には、『市場そのものを活性化できたような実感』が得られています。」(西岡)

フロントオフィスの面々が考案したビジネスアイディアを実現するための最低条件。それは、リスクとリターンを「正確」かつ「タイムリー」に捕捉し、かつ財務・会計にまで連携できる環境を事前に整えておくことだ。その大役を担うのが、青がリーダーを務めるリスクマネジメントグループ。データ基盤や、ロジックの構築、経営判断に資するレポートデザインの設計など、その業務は多岐に亘る。

「電力トレーディングビジネスには、『市場リスク』『クレジットリスク』『オペレーションリスク』など、さまざまなリスクが存在します。リスクマネジメントのやりがいは、市場取引のデータや数学的知見を駆使し、会社のビジネスをリスクの観点から『デザイン』できることです。リスクマネジメントは、よく馬車を運転する『御者』に例えられます。馬(トレーダー)のスピードが速すぎれば、事故を起こして乗客(会社)が致命傷を負ってしまいますし、逆に遅すぎた場合は、目的地(経営目標)に一向に到達しないことになります。一般的にリスクマネジメントは、ブレーキ役だと思われがちですが、私たちの使命はそれのみにとどまるものではありません。『最適な速度』で経営目標に到達できるフレームワークを『デザイン』できた時には、最高の達成感を得られます。」(青)

Project 03

王道を歩み、電力市場を牽引する存在に。

 設立から半年が経過した今、JERAパワートレーディングは着実に業務を拡大し、市場内での注目を浴び続けている。その躍進を担ったのは、紛れもなくメンバー一人ひとりのチャレンジとアイディアであった。3名のリーダーたちは、それぞれに手応えを感じながらも、さらなる未来を見据えている。

「国内の電力市場の流動性が向上し、より長い期間・より多くのボリュームの取引が円滑に成立するようになれば、ボラタイルなエネルギー価格のリスクヘッジや社会コストの低減につながっていきます。オープンな市場取引を通じて、最適化やリスクヘッジの機会を機敏に捉えながら、JERAグループ全体の安定供給や持続的な成長に貢献していきたいです。」(西岡)

「JERAパワートレーディングとしての第一の目標は、さまざまな電力商品を開発して市場に提供し続けることで、電力トレーディングビジネスの拡大を図ることです。現状、リスクマネジメントチームは、わずか4名の小さなチームですが、新たな仲間を増やし、個々の専門性を強化することで、あらゆる電力トレーディングビジネスに対応できる『強固なリスクマネジメント体制』を構築していきたいと考えています。将来的には、グループ企業であるJERA GMやJERA Americasと肩を並べる存在になりたいと思います。」(青)

「戦略意図を捉えた高いIT開発力を活かした市場分析と徹底されたリスク管理を強みに、事業基盤をさらに強固なものにしていきたいと考えています。外部環境に左右されることなく、電力市場の活性化と電力の最適化に貢献していける。私たちには、その力があると確信しています。そのためには、大規模な投資を頼みにした覇道ではなく、本質を貫き、確かな価値を創造していく『王道』を歩むこと。電力市場におけるJERAのプレゼンスを高め、市場を牽引するような存在を目指していきます。」(全)

To The Borderless World

今こそ、やらなきゃダメなんだ。

自由な市場と健全な競争は
私たちが暮らす社会に
大きな価値をもたらすものだ。
電力供給を
より安定的に、最適なコストで。
JERAパワートレーディングの
チャレンジには
新たなビジネスを創造する以上の意味がある。

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