当社は、2035年ビジョン実現に向けた成長戦略ならびに2035年までに目指す収支水準・財務戦略を公表。世界のエネルギー問題を解決するため、「LNG(液化天然ガス)」「再生可能エネルギー」「水素アンモニア」の3つの戦略的事業領域と「事業開発」「最適化」「O&M」の3つの組織による専門家集団をグローバルに形成し、最適なソリューションを提供していく。
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世界の
エネルギー問題
グローバルな社会課題の多くがエネルギーと密接に関連し、特に気候変動、貧困、地政学リスクは、エネルギー問題と直結。世界は脱炭素を目指すなか、ウクライナ侵攻等に伴う資源価格の高騰、安定供給危機を経験した。
天然ガス価格の推移(NBP:欧州天然ガス市場価格)
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- 欧州で風が吹かず、風力発電代替のためLNG(液化天然ガス)争奪戦に
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- ウクライナ侵攻等により、資源価格高騰に拍車
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- 一部アジア諸国ではLNG(液化天然ガス)の購入を見送り。その結果、計画停電や、石炭の再建設を決定する事例も
- 欧州では、電力安定供給のため石炭火力を再稼働の事例も
エネルギーのトリレンマ
「エネルギーの安定供給(Stability)」「手ごろな価格を実現できる経済性(Affordability)」「脱炭素社会への移行(Sustainability)」の3要素は、同時達成が困難な「トリレンマ」の関係にある。
JERAは、こうした世界のエネルギー問題に対し、
解決するアプローチを「JERA成長戦略」と位置づけて取り組む。
解決するアプローチを「JERA成長戦略」と位置づけて取り組む。
2035年に向けた
ビジョン(2022年5月公表)
安定供給を確保しながら、中長期的に脱炭素化を実現していくため、長年培ってきた火力発電事業の運用の強化に加え、デジタル技術を活用して再生可能エネルギーと低炭素火力を組み合わせることによって、クリーンエネルギーの供給基盤を構築。この安定供給と脱炭素化を両立するための基盤を、アジアを中心とした世界へ提供することで、世界の健全な成長と発展に貢献し企業価値最大化を目指していく。
2035年ビジョン実現に向けた成長戦略
3つの戦略的事業領域(SP:Strategic Positioning)と3つの事業運営能力(OC:Operational Capabilities)のコンビネーションで最適なソリューションを提供する。
目標規模と投資額
2035年までに5兆円を3つの戦略的事業領域に投資し、連結当期利益3,500億円を目指す。
LNG(液化天然ガス)
Integrated Value Chain Playerとして安定供給と高度な需要変動対応を実現
日本とアジア市場にソリューションを提供
日本とアジア市場にソリューションを提供
- ・Integrated Value Chainを持つ 世界最大級のLNGプレイヤー
- ・そのLNG(液化天然ガス)取扱量を梃に、①LNG(液化天然ガス) Value Chainを強化、 ②調達・販売フローを多様化、そして③LNG(液化天然ガス)フローをグローバルレベルで最適化する
- ・市場シェアを維持しながら、日本とアジアにソリューションを提供
再生可能エネルギー
Center of Excellence(COE)とローカルチームが緊密に協業し風力とメガソーラー事業をグローバルに展開
- ・現在、投資決定・事業権獲得 500万kW・パイプライン※1,000万kW超、総勢300名体制のアジアトップクラスに成長 ※検討中案件
- ・洋上・陸上風力とメガソーラーを中心に、グリーン燃料生産案件における再エネ開発機会も取り込み成長を続ける
- ・欧州拠点のCOEとローカルチームの協業体制を確立、その上でグローバルプレイヤーとの連携を目指す
水素アンモニア
バリューチェーン構築のFirst Moverとなり、電力需要でインフラを整備し、その他の産業にも脱炭素ソリューションを提供(Multi-purpose initiatives)
- ・先駆的なプレイヤーとして、水素アンモニア/CCS等の低炭素燃料によるソリューションを商用化
- ・水素アンモニアバリューチェーン構築に向けて、2027/28年に日本で世界初の大規模アンモニア商用発電を目指す。
米国では既にガス火力へ水素導入を開始(最大40%) - ・電力以外に、船舶用燃料や中小工場向けに脱炭素ソリューションを提供し、日本からアジア、欧州、米国へ展開
O&M
Digital Power Plant
- ・東京電力、中部電力、Global Standardの三択から最善の手法を選択することでPMIは完了
- ・蓄積されている知見を「デジタル」で卓越化。データドリブンで活躍するEngineer集団へ
最適化機能
グローバルアセットバックトレーディング
- ・燃料トレーディング会社(JERA GM)は、全世界の約10%のLNGを取り扱い、最適化する世界有数の規模・能力に成長
- ・国内電力トレーディング(JERA PT)も展開、サプライチェーン全体で、燃料/電力の一体的な最適化を実現
- ・JERA Global Marketsは、JERAの燃料調達のコア機能を担う。世界中の拠点が連携して太平洋・大西洋の両側から24時間市場をモニターし、市場との売買も最大限活用することにより、サプライチェーンを常時最適化。
※ 2023年、JERA Global MarketsはリートランデンターミナルのRhenus Groupへの売却を完了。この売却はアムステルダム港のサステナビリティ戦略に沿ったものであり、2023年と2027年に分けて実施予定。
事業開発
Global / Local Partnership
- ・GlobalにCOEを集約(COE:Center of Excellence)
- ・Localで地域に根差した開発
- ・GlobalとLocalがパートナーとしてAlignしてBest Projectを組成