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LNGの安定的な確保に向けた米国・Freeport LNG社への出資について2021/11/15

 株式会社JERAは、このたび、子会社のJERA Americas Inc.を通じ、米国のフリーポートLNGプロジェクトを運営するFreeport LNG Development, L.P.(以下「FLNG社」)に出資することとし、インフラファンドであるGlobal Infrastructure Partnersの子会社が保有するFLNG社の全権益約25.7%を約25億米ドルで取得することを定めた権益売買契約を締結しました。必要な許認可取得等の手続きを経て、権益取得を完了する見込みです。

 

 当社はこれまで、フリーポートLNGプロジェクトの第1系列を運営するFLIQ1 Holdings, LLCに、FLNG社とともに参画し、安定操業に貢献してきました。今回のFLNG社への出資により、既存のフリーポートLNGプロジェクト(全3系列、年間生産能力約1,545万トン)全体に関与するのみならず、同社とともに、生産能力拡張プロジェクトや第4系列の開発などの新規LNG事業を進めてまいります。

 

 アジア地域においては、経済成長を支えるためのエネルギーの安定供給と脱炭素化の両立が求められています。他の化石燃料による発電と比較してCO2排出量の少ないガス火力発電は、発電出力が不安定な再生可能エネルギーを機動的に支えるという補完関係にあり、エネルギートランジションを進める上で不可欠なエネルギー源として需要は拡大を続ける見込みです。現在、世界中で問題となっているガス価格高騰でも明らかなように、競争力あるLNGの安定的な確保が益々重要になると考えられています。

 

 FLNG社が手掛ける新規LNG事業は、既存のフリーポートLNGプロジェクトを活用するため開発リスクが極めて小さく、グローバルなLNG需要の増加に応じて、機動的に生産能力の拡大を進めることが可能です。また、本プロジェクトから輸出されるLNGは、転売や仕向地の制約がないことから、需給逼迫時の日本向けLNG供給など、アジア地域のLNG需給状況に応じた柔軟なLNG供給が可能となると考えています。

 当社は、FLNG社の事業である、既存プロジェクトの操業、新規LNG事業開発、柔軟なLNG取引等の各分野において、これまでグローバルなLNGバリューチェーン事業や発電所のオペレーション等を通じて蓄積してきた知見やノウハウを最大限活用しながら同社と協業することで、フリーポートLNGプロジェクトの競争力向上と、日本やアジア諸国をはじめとしたグローバル市場へのLNGの安定供給に努めてまいります。

 

 当社は、「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2の実質ゼロに挑戦しています。火力発電についてはよりグリーンな燃料の導入を進め、発電時にCO2を排出しないゼロエミッション火力*を追求しています。また、国・地域別に最適な脱炭素ロードマップを策定し、それに沿った取り組みによってゼロエミッションを推進する方針です。

 当社は、脱炭素社会の実現に向けたトランジション燃料として不可欠なLNGについて、長期にわたり培ってきたLNGバリューチェーン事業の経験を活かしながら、今後策定する国・地域別の脱炭素ロードマップに従ってその導入拡大に努め、グローバルな脱炭素化とエネルギー問題の解決に貢献してまいります。

 

 

*ゼロエミッション火力:発電用燃料として、化石燃料に代えて、発電時にCO2を排出しない水素やアンモニアなどのグリーン燃料を用いた火力発電所。