PROJECT STORY01

洋上風力発電
「フォルモサ」

太陽光や風力はもはや研究開発しているステータスではない。すでに事業開発ステータスに移っている。急速に普及が進む中で、迅速に且つしっかりとノウハウを得るために必要なところに必要な投資として人とお金をかけていくという方針だ。

JERAは、再生可能エネルギー事業について、現在の総発電容量約110万kWを、2025年度までに500万kWにまで高める目標を掲げた。再生可能エネルギーにも、風力、太陽光、水力、地熱、バイオマスなど様々ある。その中で、JERAはどれを軸としていくのかを的確に見定めることが重要だった。太陽光や陸上風力は、とくに島国で国土が狭い日本では設置できる場所に限りがある。洋上風力であれば、広大な海に設置できることから多くの風車を設置することが可能だ。また、海であれば風車稼動時の騒音など、周囲への影響も少ないとされている。実際に、洋上風力発電は何十万kWにもおよぶ大規模なものが多いという特徴がある。これまでの大規模案件を組成してきたJERAの強みが活かせると考えた。

2018年末、JERAとして初めて、欧州と台湾で洋上風力発電事業への参画を決定。イギリスと台湾に拠点も新設した。

洋上風力の分野では、欧州勢の方がずいぶん先行している。私たちは後発組なので、そこはきちんと現実を受け止めて、まずは真摯に学んでいく。ただ、急速にノウハウをキャッチアップしていかなければならないという戦略のもとで、いくつかの案件への参画を進めている。

まず、洋上風力の最先進国であるイギリスにおいて、イギリス南東部エセックス州の沖合にあるガンフリートサンズ洋上風力発電の事業権益24.95%を取得。洋上風力発電事業で世界最大のシェアを有する事業者であるエルステッド社(デンマーク)、および日本政策投資銀行と共に本事業に参画。48基の着床式洋上風力発電機で構成され、発電容量17.28万kW。すでに2010年より商業運転中で、JERAもロンドンに拠点を構えて加わり、現状どのようなオペレーションをしているのか、運転やメンテナンスはどういう形で行われているのかをデータを集めながら見ている。同時に、今後、台湾や日本で事業展開する際にパートナーとなりうる事業者のポテンシャルの収集を含めて、欧州全体の各事業をチェックしているところだ。

そして台湾。台湾では、現・蔡英文政権発足後、脱石炭火力・脱原発を掲げ、太陽光発電と洋上風力発電を急速に推進している。

JERAは、まず台湾北西部の苗栗(びょうりつ)県沖合にあるフォルモサ1洋上風力発電の事業権益32.5%をマッコーリー社(オーストラリア)およびスワンコール社(台湾)より取得。フォルモサ1は、22基の着床式洋上風力発電機で構成され、発電容量12.8万kW。FIT(※)に基づいた単価で20年間売電するもの。このうち第1フェーズとして2基0.8万kW分が、2017年4月に商業運転を開始した。台湾初の洋上風力となった。第2フェーズとして、残り12万kW分が2018年6月から建設工事を実施し、2019年12月27日に商業運転を開始した。JERAは2019年2月に事業参画することで、ここでは建設途中および運転の仕組みの立ち上げのところへ入っていった。

次にJERAは、2019年10月9日、フォルモサ1と同じく台湾苗栗県沖合に計画されているフォルモサ2洋上風力発電の事業権益49%をマッコーリー社から取得することを発表した。このディールでは、日本政策投資銀行が「特定投資業務」制度を活用し、JERAが設立した同プロジェクト出資会社「JERA Formosa 2 B.V.」への優先株出資を通じて資金を供与する。フォルモサ2は、47基で構成され、発電容量37.6万kW。2021年末からの商業運転を目指して、2019年10月に着工。つまり、こちらでは、さあ今から建設という段階から入り、建設のノウハウを得ていく。

もう一つ後ろに、フォルモサ3という案件が控えている。台湾中西部の彰化(しょうか)県沖合に建設する計画で、発電容量は最大で約200万kWと、世界最大級の規模となる。これは、一般的な原子力発電所2基分に相当する。現在、JERAは入札等に向けて準備中ではあるが、事業を立ち上げる最初のフェーズを経験しようと考えている。

JERAは、開発段階の異なるプロジェクトに同時並行的に参画するという戦略により、効率的な知見の獲得を目指す。特に台湾は、島国であり台風や地震が多いことなど、地理環境的な条件で日本に類似している部分があるので、きちんとノウハウを吸収して、今後、国内外において大規模洋上風力を主体的に開発できる体制を目指していく。アジアにおける洋上風力発電は発展途上。海に囲まれた日本は開発の余地を多分に残している。

とはいえ、確かに台湾と日本は、類似している部分が多いが、やはり違う部分もある。それは、海底地質だ。台湾は、比較的海底が浅い大陸棚が広がっており、世界で主流になっている海底に基礎を造る「着床式洋上風力発電」を建設できる堆積層の適地が多い。その点、日本は、急に海が深くなる場所が多い。日本で洋上風力発電が普及していくためには、風車を浮かせ、鎖でつないだ錨によって固定する「浮体式洋上風力発電」の技術が必須になってくると見られている。まだ商業化の道半ばだが、深い海でも造れるようになると、ゲームチェンジが起きる。

(※)FIT(Feed-in Tariff:固定価格買い取り制度)…主に再生可能エネルギーの普及拡大と価格低減の目的で用いられ、設備導入時に一定期間の助成水準が法的に保証されるほか、生産コストの変化や技術の発達段階に応じて助成水準を柔軟に調節できる制度。

※掲載している情報は取材当時のものとなります。

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