VISION of JERA

INTERVIEW

issue#03

JERA 代表取締役社長 垣見 祐二

JERAが日本にもたらす2つの「スマートな発電」

―― 一方で私たち日本人としては、率直に言って、JERAは日本にどのような利益をもたらすか。その点においても強い関心があります。

垣見:
私たちは日本国内向けに、「よりスマートな発電」を提供します。
このスマートの意味は2つあります。1つ目は電気を必要なときに、必要な量を、確実に、しかも安く届けることです。電力自由化の進展や再生可能エネルギーの普及によって、今後、電力需要は大きく変動していくことが予想されます。私たちは、自らの強みである変動対応力によって、効率的な発電を実現し、競合他社より安く、品質の高い電力を確実にお届けしていけるでしょう。

―― 電力が自由化されました。消費者が電力を選択できる時代ですからね。

垣見:
はい。そして2つ目のスマートは、高経年化した発電設備を最新鋭の高効率火力発電設備へリプレース(建替え)することで、CO2削減をはじめとする環境負荷の低減に貢献します。CO2排出抑制は先進国の使命であり、世界的な流れです。私たちは発電効率を高めることで、環境負荷と日本のエネルギーコストの低減に大きく貢献したいと考えています。

石炭トレーディングがもたらすもの

―― 先日のプレスリリース(2016年10月11日「グローバル石炭トレーディング事業の実施に係る基本合意書の締結について」)を拝見しました。そもそもJERAのトレーディング事業とはどういったものでしょうか?

グローバル石炭トレーディング事業の実施に係る基本合意書の締結について

垣見:
電力会社にとって燃料とは調達するもの。つまり買うものだったのです。私たちはこれを売ることもできるようになる仕組みを創り出していきます。 燃料は、価格や流通量が常に変動します。変動する商材であれば、時には市場に素早く反応し売ることで利益が得られます。とくに化石燃料のひとつである石炭はコモディティ(一般商品)化が進んでいます。
またトレーディングは利益目的だけではありません。価格や流通量を安定させる働きもあります。買うだけでなく「売る」という手段を用いて燃料の価格と流通量の変動をマイルドにしていく。これも電力の安定した供給に必要な役目です。

JERAのトレーディング事業

このトレーディング事業に直接関わっているのがJERA Trading Singapore(JERATS)です。2015年10月に中部電力から承継した会社ですが、以前から石炭トレーディングに携わっていたので知見が豊富です。JERATSを中心とした石炭トレーディングでノウハウを培い、将来的にはLNGなど他の燃料トレーディングに役立てていきたいと考えています。

JERA Trading Singapore(JERATS)

―― なるほど石炭ですか......。個人的な意見ですが、石炭というと旧時代のエネルギーというイメージがあります。

主要国の電源別発電電力量の構成比(2012年)

垣見:
戦後のエネルギー革命の印象が強いので、日本人は皆そう思いますよね (笑)。21世紀の現在なお、世界の火力発電は石炭が主流なのですよ。日本では30%ですが、アメリカで40%、ドイツで45%、中国で75%、発電の燃料として石炭を使用しています。 石炭はLNGや石油などに比べて安価。埋蔵量や産出国も多く、なんといっても扱いやすく貯蔵がしやすい。火力発電の燃料としてはコストの面でとても優秀な資源です。ところが欠点もあります。

―― 石炭のCO2排出量はLNGなどに比べて多いということですね?

垣見:
はい。そのとおりです。だから先進国は削減する方向に向かっています。
一方、経済発展のために安価な電力が必要な新興国にとって、石炭は欠かせない選択肢の一つです。
JERAは、今後も石炭需要の増加が見込まれるアジア地域を中心に、欧州や中東も含めグローバルに石炭需要家のニーズに適切にお応えしていきます。 先日発表したグローバル石炭事業の実施に係る基本合意も、グローバルを目指すJERAだからこそ先方からご提案いただいたと考えています。JERAは、環境負荷やエネルギーコストの低減にも努めてまいります。

―― 日本の発電事情を振り返ってみますと、日本の電力の主力である火力発電は、LNGを筆頭に石炭、石油とさまざまな発電形態がありますね。

垣見:
それは必要に迫られているからです。日本のようなエネルギー資源に乏しい国は、発電方法に対して多くの選択肢を持つ必要があります。資源ポートフォリオとでもいうのでしょうか。これが米国のような、石油、石炭、天然ガスと、自国資源の種類も量も豊富な国だと「石炭をやめよう」などと発言ができます。ドイツは国内資源が少ないですが、ヨーロッパ中に張りめぐらされた送電線やパイプラインを利用してさまざまな購入先を選べます。CO2削減のために石炭を減らすという動きも、こうした地理的要因で各国によって異なります。

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国内発電事業

競争力の高い電源開発

東京電力フュエル&パワーおよび中部電力の既存火力発電所のリプレースや新設を進め、市場競争力の高い電源をタイムリーに開発。最新鋭の高効率機器を導入した環境負荷の低減も実現します。また海外での開発・運営を通じて獲得したノウハウを国内事業に反映し、競争力を強化します。

国内発電事業

常陸那珂ジェネレーション