VISION of JERA

INTERVIEW

issue#01

JERA 代表取締役社長 垣見 祐二

東京電力と中部電力の単なる事業統合ではない、新しいエネルギー企業づくり

――2015年4月、東京電力(当時、現・東京電力フュエル&パワー)と中部電力の事業統合によって株式会社JERAが設立され、はや1年半が過ぎようとしています。これまでに発表された事業計画やプロジェクトに目を通しますと、エネルギー業界において世界的にも注目を集める企業が誕生した感があります。

垣見 祐二(以下、垣見): グローバルに見渡すと、エネルギー業界では、資源を開発生産している資源メジャーなども大型化が進んでいます。それは日本の電力会社も同じです。燃料調達から発電までより効果的なバリューチェーンを構築するためには、より大きいサイズになる必要がありました。

ひとくちに事業統合といっても巨大な会社同士の統合です。規模だけでなく事業分野も多岐にわたります。ですから私たちは、事業統合についてステップを踏んで進めてきました。最初は40人程度の社員数で両社の新規事業開発の窓口を一本化することから始まり、2015年秋に燃料トレーディング事業、燃料輸送事業が加わって、2016年夏には既存の海外発電事業と燃料事業を承継しました。2017年春には、既存の国内火力発電事業を承継するかどうかについて判断される予定です。社員数も現在は500人規模。めまぐるしい毎日ですが、今のところ結果は順調に進んでいますね。

事業拡大ロードマップ

―― なるほど。段階を踏みつつもスピード感をもって統合が進んでいるのですね。
とはいうものの、電力会社には長い歴史があり、それぞれ独自の文脈を持った企業文化をつくりがちかと思われます。2社統合でギャップなどは生じていますか?

垣見:
2社の企業文化を引き継ぐというよりも、むしろJERAとしてまったく新しいエネルギー企業づくりを目指しています。私たちは世界で活躍するために飛躍しなければなりません。そのためにいろいろな仕掛けが必要です。たとえば、本日お越しいただいたオフィスもそのひとつ。従来の電力会社では考えられない先進的で、モダンなオフィスレイアウトにしています(笑)。会議においてはペーパーレス化を促進し、新しいものをどんどん取り入れて新しい企業文化を創造しています。踏襲ではなく創造。大手同士が一緒になりましたが、企業文化としてはベンチャー企業を立ち上げたような気概を持っていたいです。お互いの良いところを伸ばしていくような。

―― ギャップというよりシナジーが生まれているわけですね?

垣見:
はい。同じ事業分野でも東京電力と中部電力はそれぞれに得意な方面がありました。たとえば海外発電事業において、東南アジアの場合、タイは中部電力が強い一方で、フィリピンやインドネシアは東京電力が強い。こうした互いの強みが事業統合によって地域情報や仕組みづくりがシェアされ、シナジーが生まれています。

このシナジーは部門間においても生じています。当社は燃料事業部門と発電事業部門が壁のない同じフロアで一緒に仕事をしています。お互いが情報を共有し合える、風通しのよい社風を心がけているからです。従来だと同じ社内でも燃料調達と発電はタテに分けられていたので画期的なことなのです。外から見れば小さな取り組みかもしれませんが、私たちにとっては部門の垣根がなくなることで燃料調達と発電をセットにした事業混成チームがつくりやすくなります。シナジーというとどうしても東京電力と中部電力という視点に行きがちですが、このように部門同士にも生じています。海外における火力発電所の建設・運営に競争力ある燃料供給をパッケージで提案するといった燃料調達から発電までをひと続きにする当社のバリューチェーンというビジネス・スキームが浸透し、よりお客さまのニーズにあったプロジェクトの提案がしやすくなるでしょう。

―― 顧客の反応はいかがですか? JERAは2社の事業統合によりLNG調達においては世界一の調達量になりました。

LNG調達:アジア買主 調達規模(2013年度)

垣見:
お客さまの期待は大きいですね。世界的にみても大きな会社になりました。燃料調達と発電が一緒になった会社は世界中でもそれほど多くないです。注目度が高まったことでプロジェクト案件や提携の話がかなり来ています。もちろん注目されるということは「試されている」ことでもあります。競争相手も興味津々に見定めていることでしょう(笑)。もちろん結果を持って応えていきます。

02

燃料事業

世界最大級の調達規模によって燃料バリューチェーンを実現し、燃料市場のルールメーカーへ躍進します。

LNGをはじめ燃料調達のさらなる競争力強化と事業環境変化にも強い体制づくりのために、分業化していた従来のエネルギー事業を統合したバリューチェーンを実現。燃料事業を取り巻くさまざまな局面からバリューチェーンの最適化に取り組み、燃料市場の変革をリードしていきます。

燃料事業

ダーウィンLNGプロジェクト